ex story 2
劇場での事件後。
『六芒聖士団』のフォルヌ・ノレイは、自分の命令を聞かずに逃げ去った三人に対し、相当
腹を立てていた。
仮にも自分は、選び抜かれたエリート中のエリートである。『六芒聖士団』の名を聞いて、
命令に背くのは黒ミサぐらいだと(フォルヌの中ではそう)称えられている存在だ。
それを平の制服を着た牧師に、まだ全然若いシスター、そして目つきの悪い男は、命令を
聞かないどころか花火を投げつけて何処かへ消え失せてしまった。
「まったく何だったんだ、あの連中は! あー、服が火薬臭ッ」
「どうやら、うちのチャペルの者ではないみたいですね。顔に覚えがありません」
と、冷静に受け答えする補佐役の部下。
「絶対処罰してくれる! やっと団員が出たというのに、連中の所為で何も活躍しないまま出番
が終わってしまった!」
「(それが本音か・・・)でしたら、さっさと突入すれば良かったのでは?」
「いや、だって、怖かったじゃん。蘇生失敗した女の姿」
「(何を言ってるんだこのオヤジ・・・)」
「とにかく、連中を捜し出すんだ!!」
「・・・御意」
部下はフォルヌに気付かれないように、深く深く溜め息を吐いたのだった。
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